シミとしわの深い関係

シミとしわは年齢とともに大なり小なり誰にでもできてしまいます。

年齢変化に完全に抗うことはできませんが、できることはやって美しく年を取っていきたいものです。

忙しい日々の中でシミとしわの両方に対策するのは大変に感じられるかもしれませんが、シミとしわは原因対策において共通する部分も多いのです。

今回はシミとしわの共通点する原因と対策についてお伝えします。

 

原因

まずは敵を知ることから始めましょう。

紫外線

紫外線といえば日焼け、日焼けと言えばシミ・・・のように紫外線の影響はシミと関係が深いことは良く知られています。

しかし、紫外線はシミができやすくなるだけではなく、皮膚のコラーゲンなど肌の張りを保つ構造も破壊します
そして、しわ・たるみの原因となります。

このように紫外線によってもたらされるシミ・しわ・たるみなどのありがたくない現象を「光老化」と呼びます。

間違ったスキンケア

「手入れのし過ぎ」はかえってマイナスです

基本的に肌は手を入れれば入れるほど皮膚表面の角質が剥がれ、皮膚本来が持つバリア機能は失われていきます。

そして刺激に敏感で乾燥しがちな肌になっていきます。

敏感になった肌に慢性的な刺激が加わり続けると、皮膚の防御反応でメラニン色素が作られますので、肌のくすみや肝斑というシミができやすくなります。

また、乾燥は小じわの原因となります。

タバコ

日々診療をしていて感じるのが、年齢の割に肌の張りがなく、くすんだ肌をしている方の喫煙率は高いなということです。

喫煙は皮膚血流の低下やビタミンCの破壊など肌のコンディションにとって様々な悪影響があります。

皮膚血流の低下は細胞本来の活動の妨げになりますので、プラスに働くことはありません。

ビタミンCは次に「対策」の部分で詳しくお伝えしていますが、シミ・しわを予防する働きがあります。

このビタミンCは喫煙によって壊されてしますことが分かっています。

 

対策

原因が分かれば、それぞれの原因に対して対策を施していくことが近道です。

紫外線対策

原因の部分でお伝えしましたように紫外線はシミ・しわの大敵です。

ところで地上に降り注ぐ紫外線のほとんどはUVAとUVBという2種類の紫外線です。

UVA:地上に降り注ぐ紫外線の95%を占め、シミ・しわ・たるみの原因となる
UVB:浴びすぎると日焼けで肌が赤くななり、シミの原因となる

このようにUVAとUVBどちらもシミ・しわの原因になりますので、両方とも対策する必要があります。

「晴れた日は日焼け止めを使っているから大丈夫!」と思ったあなた・・・本当に大丈夫ですか??

しわ・たるみの原因となるUVAは曇りの日や窓ガラス越しでも降り注いでいます!

更に普段使っている日焼け止めが本当にUVAをカットしているかチェックしていますか?

よく日焼け止めの強さを表す指標として使われているSPFというものがあります。

SPFの数値が大きいと紫外線のカット率が高くなることが想像できるのですが、SPFはUVBを防ぐ能力を表しています

すなわち、地上に降り注ぐ紫外線の95%を占め、シミ・しわ・たるみなどの光老化と呼ばれる現象のボスキャラ、UVAを防ぐ能力に関してはSPFの数値は関係ありません

UVAを防ぐ能力はPAという指標を使います

PA+とかPA+++などのように記載され、「+」の数(1個~4個で表す)が多い方がUVAを防ぐ能力が高いことを意味しています。

シミ・しわ対策のためにはSPFのみではなく、PA値をしっかり確認して日焼け止めを使用しましょう

正しいスキンケア

スキンケアの最も大切な考え方は「肌をいじめない」ことです。

まずは保湿です。

自身の油分などで乾燥を防ぐことができればよいのですが、あらゆるところでエアコンが効き、アスファルトやコンクリートで囲まれた皮膚にとって非常に過酷な環境ではどうしても乾燥しがちになります。

乾燥すると皮膚のバリアが壊れ、さらに乾燥が進むという悪循環に陥り、小じわやくすみの原因となります。

それから手入れしすぎないことです。

洗顔でこする、パッティング、小顔マッサージ、ピーリングなど一般的に行われているお手入れをすればするだけ皮膚表面の角質が剥がれ、皮膚が本来持っている機能が失われてしまいます。

実際には難しいのですが、洗いすぎず、多少汚れている位の方がかえって肌にとっては良いのです。

ビタミンCの補給

ビタミンCが肌に大切ということはご存知の方も多いと思います。
では、ビタミンCはどのような働きをしているのでしょうか?

①シミ・くすみの予防

紫外線や皮膚に刺激が加わると、メラノサイトという細胞がメラニンという色素をせっせと作り、皮膚表面に送り出します。

このメラニンが多くなると肌が茶色くなり、一部分に溜まってしまうとシミとして見えるようになります。

ビタミンCはこのメラニンの合成を抑制することで、シミ・くすみを予防します。

②シミ・くすみを薄くする

ビタミンCはできてしまった黒いメラニン色素を色の薄いドーパキノンへ変える(還元する)作用があります。

ビタミンCでシミ・くすみを無くすことはできませんが、薄くする作用があるということです。

③コラーゲンの合成

肌の張りをだすコラーゲンの合成を促進し、肌の老化を防ぎます。

ビタミンC摂取で気を付ける点は、ビタミンCは体内に貯蔵することができないため、こまめに摂取することが大切です。

そしてタバコはビタミンCを壊してしまいますので、禁煙も大切です。

 

まとめ

このようにシミとしわは原因や対策において共通する部分が多くありますので、普段から少しだけ気を付けることで5年後、10年後に違いが出てきます。