こんにちは。
よく、医療ドラマで手術が終わった直後に執刀医が「手術は成功しました!」と言っているお決まりのシーン、あれって結構非現実的なんですよね。
なぜなら、術後の合併症はすぐに出ないものがほとんどだからです。
数日して出るものもあれば、数か月、数年して出るものまであります。
更に癌の手術であれば、(癌の種類にもよりますが)数年以上経過して再発がなければ成功したと言えるんですよね。
まあ、そんなことは置いといて、今回はFTM・乳腺切除術後に水がたまった漿液腫(しょうえきしゅ)についてです。
手術して数日~1週間頃に認められることがある合併症の一つです。
症状とて水の量が多いと、チャプチャプしますので、誰でも何か液体がたまっているなというのが分かります。
特に、皮下脂肪が多く、乳腺の範囲がある程度広い方に生じやすいです。
さて、経過写真です。
術前

術前正面

術前右側

術前左側
乳腺のボリュームはそこまでありませんが、皮下脂肪の厚みがありました。
治療は乳腺切除術と乳頭縮小術を行いました。
術後1週間

術後1週間
術後1週間の時点で両胸に水がたまっていました。
そこで注射器で水を抜きました。
写真は水を抜いた後(注射の跡に白い絆創膏を貼っています)です。
まだ腫れが残っています。
術後1か月

術後1か月

術後1か月右側

術後1か月
術後1か月の時点でもまだわずかに水がたまっていますが、次第にたまる量が減ってきていましたので、あと少しでたまらなくなります。
水がたまった場合、皮下脂肪の硬さが強く出たり、皮膚の色素沈着が強めに出ることがありますが、時間とともにゆっくりと改善します。
できるだけ合併症はだしたくありませんが、このようなケースもありますが、それぞれの合併症に対して速やかに、適切に対処することが大切です。