こんにちは。
今回は「ほくろの除去」についてお伝えします。
ほくろの除去は当院で最も多い治療の一つです。
治療の目的は「見た目が気になる」「少しずつ大きくなってきているので早めに除去したい」「癌ではないか心配」など様々ですが、整容的な理由が最も多いです。
さて、除去の方法は「外科的切除」と「レーザー治療」が代表的です。
外科的切除
その名のごとく、ほくろを切除し、縫います。
下の図のようにほくろを中心として紡錘形に切除し

↑ 切除のデザイン
下の図のように縫います。

↑ 縫合終了時の状態
ほくろの直径より傷跡が長くなってしまいますが、深部までしっかりと切除できますので、確実に除去できます。
レーザー治療
レーザーにも色々種類がありますが、ほくろのレーザー治療は、レーザーでほくろを削り取るイメージです。
下の図のように、ほくろは皮膚表面より深いところまで入り込んでいますので、

↑ ほくろの断面図
下の図のように、穴を掘るように削っていきます。

↑ レーザー治療後(断面図)
ほくろを削った後は、一時的に凹んだ傷になります。
軟膏やテープ保護により10日ほどかけて傷が治っていきます。
切除に比べて傷跡が小さいのがレーザー治療のメリットです。
一方、削りすぎると陥凹した傷跡になりやすいので、あまり深くまでは削れません。
すると、ほくろの細胞がいくらか残ってしまうことがあり、再発のリスクがあります。
これがレーザー治療のデメリットです。
治療法の選択
治療法の選択はほくろの大きさ、場所、予想される深さ、治療の目的、再発を許容できるかなどを考慮して決定します。
中には、レーザーではまず難しいというほくろもありますが、どちらにしようか迷った時はレーザーで治療しておいた方が無難です。
傷跡がきれいになる体質であれば、切除でもレーザーでもどちらでも最終的にはきれいになります。
しかし、あまりきれいにならない体質であった場合、レーザーの傷跡の方がダメージが少ないであろうという考えからです。
もちろん、絶対に再発させたくない場合と、悪性腫瘍の除外診断をした方が良い場合は外科的切除が第一選択です。