髭が濃いことによって「年齢より老けて見える」「髭剃りが面倒」「皮膚が負ける」など悩みが多くなりますね。
髭を永久脱毛してしまえばそんな悩みから解放されるのですが、一方で「本当に効果があるのか?」という疑問はありませんか?
そこで髭の脱毛をお考えのあなたにぜひ知っておいていただきたい「結果を左右する3つの要因」と「脱毛の効果が得られるまでの過程」について詳しく説明していきます。
目次
脱毛方法による違い
脱毛方法はいくつかあるのですが、方法によって結果は180度違います。
まずはどの脱毛法を選択するかよく考える必要があります。
除毛クリーム
除毛クリームは一番手軽に行える脱毛方法の一つです。
自宅でも簡単に導入することが可能です。
一方、最大の欠点は永久脱毛は全く期待できないという点です。
永久脱毛するためには毛根の細胞に永久的なダメージを与える必要があるのですが、除毛クリームではそこまではできません。
したがって、髭剃りよりは少し深くまで除毛できる位の効果になります。
光脱毛
光(フラッシュライト、IPL)脱毛はエステでの脱毛でよく使用されています。
脱毛に関して後述するレーザーとの一番の違いは、「光が届く深さ」です。
光脱毛はその性質上、どうしても皮膚の浅い部分までしかエネルギーが届きません。
レーザーより痛みが少ないというメリットもあるのですが、髭は体毛の中では最も毛根が皮膚の深いところまであります。
したがって、光脱毛ではエネルギーが髭の毛根までしっかりと届かないのです。
光脱毛で髭はほとんど脱毛できなかったというケースはよくあります。
ただ、あなたの髭が産毛に近いタイプでしたら、光脱毛でも脱毛される可能性はあります。
レーザー脱毛
現在行われている永久脱毛が可能な方法の中では最も普及している方法です。
前述の光脱毛と違い、レーザーは強いエネルギーを皮膚深部まで届けることができます。
ですから、毛根が深い髭でもしっかり対応できます。
その他のメリットとして、レーザーは設定を間違えなく選択すれば施術者による技術差が出にくいことです。
また、施術時間が短いというメリットもあります。
デメリットとしてレーザーはメラニンに反応して脱毛していますので、メラニンが含まれていない白髪は脱毛できませんし、メラニンが薄い産毛も脱毛効果が落ちます。
また、レーザーの種類(波長)によっても効果の違いがありますので、そちらはこの後説明しています「2.レーザーの種類による違い」を参照してください。
レーザーは医療機関でしか取り扱いが認められていませんので、医療機関で行うことになります。
ニードル(針)脱毛
世界で初めて永久脱毛が可能な方法として認められた方法です。
毛穴よりわずかに細い針を毛穴に挿入し、弱い電流を一瞬流すことで毛根の細胞に永久的なダメージを与えます。(針と言っても先端は丸くなっており、注射の針とは少し違います。)
メリットは1本1本の毛に対する永久脱毛の確実性が最も高いことです。
また、レーザーでは対応できない白髪も脱毛できるという点も見逃せません。
デメリットは1本1本脱毛していきますので時間がかかるということと、施術者の技術差が出やすいことです。
レーザーの種類(波長)による違い
※この段落は少し専門的な内容を含みますので、お時間がない方は次の「3.部位による違い」へスキップしてください。
現在、脱毛に使用されるレーザーの種類は「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」の3種類がほとんどです。
どれも同じではなく、それぞれに特徴があります。
アレキサンドライトレーザー
3種類のレーザー中では最も色に敏感に反応します。
すなわち、やや色素が薄い毛でも反応できるというメリットがあるのですが、一方で日焼けした肌には使用できません。(やけどのリスクが高くなります)
また、3種のレーザーの中では一番皮膚の浅いところまでしかレーザーが届きませんので、毛根が深い髭の脱毛には少し力不足になることがあります。
ダイオードレーザー
アレキサンドライトと後述するヤグレーザーの中間の特徴があります。
ある程度日焼けした肌にも対応できますし、毛根がある程度深い髭でも脱毛できます。
蓄熱式という新しいコンセプトの脱毛機もダイオードレーザーを中心に製造されています。
ただし、「蓄熱式は痛くない」というのは必ずしも正しくありません。
私も実際に多くの患者さんに使用したのですが、「痛くない人は痛くないし、痛い人は痛い」「髭などは従来機より効果が劣ることがある」というのがひいき目なしで得られた感想です。
蓄熱式脱毛は比較的新しいコンセプトの脱毛ですし、従来の方法にはないメリットもありますので、今後の発展が待たれます。
ヤグレーザー
3種のレーザーの中で一番深くまでエネルギーが届きますので、毛根が深い髭には非常に効果的です。
また、一番色に反応しにくい性質がありますので、一般的な日本人の日焼け肌程度では問題なく治療できます。
日焼けしやすい顔の脱毛には心強い性質です。
一方、デメリットは「痛い」ことです。
3種のレーザーの中では一番痛いと言ってもいいでしょう。
ただ、高い費用を払って施術を受けるのですから、痛みには多少目をつぶっていただいて、効果を重視することをお勧めします。
痛みに関しては塗る麻酔や笑気麻酔など各施設で工夫されています。
また、脱毛が進んで毛が少なくなるに従って、痛みも少なくなってきます。
部位による違い
一概に髭の脱毛と言っても、全体的に、しかも均一に減っていくわけではありません。
(ここでは一般的に行われているレーザー脱毛に絞って説明します。)
髭を「鼻の下」「あご(頤)」「もみあげ」「頬」「あご下(首にかけて)」と分けるとします。
「鼻の下」「あご(頤)」が最も治療回数が必要です。
個人差があるのですが、「もみあげ」「頬」「あご下」は5~10回ほどでしっかり脱毛されるのですが、「鼻の下」「あご(頤)」はその倍くらいの回数、10回~20回、平均12~15回ほどが目安になります。
これは髭の密度も影響していると思いますが、特に毛が垂直に生えている部分の抜けが悪い印象があります。
毛が皮膚に対して斜めに生えているか、垂直に生えているかによってもレーザーの効果に違いがあり、部位による違いを生じているのではないかと考えられます
脱毛後の経過と効果が出るまで
ここでもレーザー脱毛に絞って説明します。
レーザーを照射した後は以下の経過をたどります。
- 直後~1週間 赤みがある
- 翌日~1週間 むくみがある
- 1~2週間 毛がポロポロ落ちてくる
- 5~2か月 再び毛が生えてくる
特に最初の1~2回は④でほぼ元通りに毛が生えてくることもよくあるのですが、これは心配ありません。
回数を重ねるごとに生えそろう毛の密度が減ってきていることを実感するようになります。
また、①②の赤みやむくみも治療回数を重ねるごとに症状が軽くなってきます。
治療は施設による違いがありますが、1~2か月ごとに繰り返します。
2~4回目位から効果を実感するようになり、脱毛する部位、個人差による違いはありますが5~15回ほど繰り返すことでしっかりと脱毛されます。
まとめ
脱毛方法、レーザーの種類、脱毛部位によって効果に違いがあります。
脱毛を検討する際は、まずどの脱毛方法を選択するか考えてください。
光脱毛、レーザー脱毛、針脱毛は自分ではできませんので、施術を行っている施設に通うことになるのですが、事前にどの脱毛法を行っているのか確認できることが望ましいです。
髭の脱毛は効果が得られるまで平均で5~15回ほどの治療回数が必要になります。