国内で乳腺切除術(胸オペ)を受けるべき7つの理由

乳腺切除術(胸オペ)を受ける場合に、まず日本国内で行うか海外(主にタイ)で行うか選択することになります。

以前は国内では手術を行う施設自体が少ないこともあり、手術件数が多く費用も安いタイで手術を行うケースが大半でした。

しかし、現在は状況も変わってきており、当事者の約半数が国内で手術を受けていると推計されており、今後は更に国内で手術を受ける割合が増えることになると予想されます。

そこで、今回は国内で乳腺切除術(胸オペ)を受けた方が良いと考えられる理由についてお伝えします。

 

費用面でのメリットがない

 

タイで手術を行った方が安いと言われていますが、実際の費用はどれくらいなのでしょうか?

※施設、手術方法などによって手術費の違いはあります。ここでは日本人の大半が適応になる乳輪半周切開(U字切開)による手術について比較しています。

タイ 60万円前後
国内 50~60万円前後

これが乳腺切除術の実績が豊富な施設のざっくりとした費用の相場です。

タイの費用にはアテンド(仲介業者)に支払う手数料、渡航費、滞在費などが含まれていますので、医療機関に支払う手術費はもう少し安いのかもしれませんが、結局手術に伴う出費としてはほとんど変わりがありません。

※アテンドに関しては別の機会に解説します。

タイの医療費は日本と比べて決して安くはありません。
病院、治療内容によっては日本より高額になります。

つまり、費用面でタイを選択するメリットは無いということです。

 

技術格差は既に解消されている

 

「タイは性別適合手術(性転換手術)の先進国であるから技術が進んでいる」
果たしてそれは現在も事実なのでしょうか?

手術技術の差は外科医が執刀した症例数の差を反映していると言えます。(いくらかは才能による差もありますが・・・)

ただし、私個人の形成外科医としての経験からは、きちんと訓練された形成外科医であれば、乳腺切除術が週1~2件、数年続けば経験値としての症例数は十分だと感じています。(逆にそれ以上になっても技術の向上にはあまり直結しない)

すでに国内である程度手術件数の多い施設はそれくらいの症例数はありますし、乳腺切除を手掛ける形成外科医も増えてきています。

また、実際にタイの有名施設での術後患者さんの診察や学会、論文を通して他施設の術後結果を見る限り、国内施設との結果の差は感じません。

つまり、乳腺摘出術に関して技術差はもう無いといっていいでしょう。

技術差は国の違いではなく、医師個人の差として存在すると考えて下さい。

 

ところで、少し話はそれますが、手術件数の解釈について注意すべきことがあります。

大切なのは医師個人の手術件数であって、施設の手術件数ではないということです。

例えば年間手術件数100件のA病院とBクリニックがあったとします。

A病院は手術を手掛ける医師が3人、Bクリニックは医師が1人だとするとBクリニックの医師の方が経験豊富であるということです。(A病院は医師個人の手術件数としては1/3になるため)

当然規模の大きな施設の方が施設の手術件数は多くなりますが、それは必ずしも医師個人の手術件数の多さを反映しているわけではないということに注意してください。

 

仕事・学校への影響を最小限にできる

 

手術を希望される方の中には仕事や学校などで長期の休みを取ることが難しい方が多くいらっしゃいます。

海外で手術を受ける場合は移動、手術、術後検診などを含めて10~14日程は必要になります。

国内の日帰り手術で行えば、2~3日後にはデスクワーク程度なら可能です。(もちろん個人差はあります)

日程的な余裕があれば問題ありませんが、極力治療に使う時間を少なくしたい場合には国内での手術、入院を必要としない施設での治療は有力な選択肢だと考えます。

※国内施設での入院の有無に関して比較した【病院とクリニックのメリット・デメリット】も参考にしてください。

 

医師・スタッフと自分の言葉でコミュニケーションがとれる

 

治療を受けるにあたってコミュニケーション・意思疎通は非常に大切です。

通訳を通して意思疎通はできるように思われますが、通訳を通す場合とご自身が医師と直接やりとりする場合とでは中身がかなり違います。

私も通訳を介して診療した経験があるので分かるのですが、通訳を介した診療では伝えたいことの半分しか伝えられません。

通訳を介した診察では、
自分が話す→少し考えて通訳が訳す→患者さんから質問がくる→少し考えて通訳が訳す
の繰り返しです。

いつもの診察と比べて3倍くらい時間がかかっている感じがしてしまいます。

そこで、診察時間は限られていますので要点のみをかいつまんで伝えることになってしまいます。

また、通訳がネイティブ並みの語学力と医療用語の理解が無いと判断した場合、理解しやすい単純な言い回しのみで説明しますので、ネイティブの患者さんと直接やり取りするよりは細かいニュアンスが伝えられず、やや希薄な内容になってしまいます。

それから通訳者がたどたどしい日本語で患者さんの言葉を翻訳すると、患者さんの質問、要望も自分が少しずれて理解しているのではないかという不安感が常につきまといます。

つまり、タイで手術を受ける場合は、通訳者がタイ語と日本語の両方に関してネイティブ並であることと、ある程度の医学用語を理解していないと医療現場では通訳として力不足です。(もちろん日常会話ではそこまでの必要はありません)

医療サイドの意図をしっかりと理解し、ご自身の疑問や希望を相手に理解してもらうためには、ご自身の母国語(日本語)でお互いに意思疎通をとれることが非常に大切です。

 

合併症の対応が適切に行える

手術には程度の違いはありますが、残念ながら合併症が起きる可能性があります。

合併症が起きた時、通常は施術を受けた医療機関、担当医師に相談の上、来院もしくは必要な処置を継続します。

この時、あなたに起きている症状を的確に担当医師に伝え、治療を継続することが合併症のダメージを最小限にするために欠かせません。

国内であれば直接医療機関に電話をすることになるのですが、海外であればまずアテンドに連絡を取ることになります。

アテンドが上手く医療機関へとりつないでくれれば良いのですが、必ずしも私たちが当然と考えるような責任ある行動をとってくれる場合ばかりでは無いようです。

更に、帰国予定日が来てしまった場合はどうしますか?

合併症を生じた場合、通常より治癒までの期間が延びることがほとんどです。

手術に絶対はありません。合併症の対応まで考えて医療機関を選ぶようにしてください。

 

医療機関を選択できる

 

緊急性のない治療の場合、国内であれば何件か診察を受けたうえで医療機関を選ぶことができます。

一度診察を受けてから治療を考えるということは海外渡航の場合は難しいです。

海外での施術の場合は一度も相談したことがない病院に予約金もしくは費用の全額を支払った上に手術日も決定しています。

現地で初めて診察を受けて、あなたの予想と違ったため別の医療機関にしたいとか手術を一旦考え直したいなどということは難しいと考えて下さい。

 

付き添いが来やすい

 

手術は一人で来られる方もいらっしゃれば、身内やパートナーと一緒に来られる方もいらっしゃいます。

海外ではなかなか身内やパートナーと一緒に渡航するのは時間的にも費用的にも難しい問題です。

 

まとめ

このように国内で乳腺切除を受けるメリットの方が大きくなっていますので、海外で乳腺切除を受ける理由はあまり無いと考えられます。

子宮・卵巣摘出術と乳腺切除術の同時手術を受けられる国内の医療機関はまだ少ないのが現状ですが、その場合でも海外で手術を受けるリスクを十分に理解した上で検討して頂ければと思います。

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