女性化乳房手術の実際~局所麻酔手術~

女性化乳房の中でも乳腺が乳輪直下に限局しており(直径2~3cm以内)、脂肪吸引が必要ない場合は局所麻酔で手術を行います。
乳腺の大きさは超音波検査で測定するのですが、乳輪部分だけにしこりを触れる方はこの手術の適応になることが多いです。

ここでは当院で行っている局所麻酔による女性化乳房手術を例として詳細をお伝えします。

 

手術当日

局所麻酔手術ですので、治療前の食事制限などはありません。
通常の歯科治療を受けるような感じで来院してください。

手術当日の流れ(午後の手術の場合)

14:00 来院
初診時にご説明した手術内容でご質問等が無ければ準備に入ります。

14:05 着替え、準備
お手洗い等を済ませ、手術用のガウンに着替えます。

14:20 手術開始
両側の手術の場合、左側から始めます。

まず、局所麻酔(注射による麻酔)で手術部位の麻酔をします。
麻酔の後は引っ張られたり押されたりする感覚は残るのですが、痛みは感じなくなります。

切開は乳輪周囲半周切開します。
乳輪周囲の切開は傷跡を目立ちにくくするために、乳輪の形に沿って切開します。乳輪の形が滑らかな円であれば滑らかな弧を描くように切開しますが、通常はやや不整形ですので、その形に合わせて切開します。

その後乳腺を摘出し、傷を縫合します。

15:20 左側終了、右側開始
左側が終了したら、同様に右側を手術します。

16:20 手術終了
手術が終了しましたら、術後の注意事項、明日からのケアの仕方をご説明します。

16:40 帰宅
局所麻酔の手術ですので、食事制限などはありません。

帰宅時はできるだけ歩く距離を少なくしてください。
普段は歩いている距離でも、バス等が利用できる場合は極力利用するようにしてください。
理由は以下の注意事項に記載しています「再出血」のリスクを下げるためです。

術後の注意事項

術後最も気を付けることは再出血です。

手術範囲もあまり大きくないため痛みも少なく、術後はホッとして気が緩みがちですが、再出血を防ぐために、以下の3点に注意してください。

①できるだけ安静にする
必要な用事以外は極力ソファーやベッドなどでゆっくり過ごすようにしてください。
必要以上に動いてしまいますと、心拍数が増え、血圧が上がってしまいます。

②お酒は飲まない
手術当日の夜は絶対に飲んではいけません。

お酒も心拍数や血圧の安定に悪影響を与えます。手術結果に直接関わりますので、グッと我慢しましょう。

③痛みがあるときは痛み止めを使用する
痛みを我慢すると血圧が上がります。痛いときは無理に我慢せずに痛み止めを使用してください。

上記3つは術後再出血を予防する上で非常に大切ですので、必ず守るようにしてください。

術後の痛みについて

局所麻酔による女性化乳房手術は手術範囲も小さいので術後の痛みはあまり心配する必要はありません。

痛みの程度に個人差はあるのですが、手術当日から翌日までの間に処方された痛み止めを0~1回程度使用する方が最も多いです。

痛みを感じやすい期間は手術当日の夜から翌日の午前中までです。それ以降は少しずつ良くなってきます。

 

手術翌日から術後1週間までの経過と過ごし方

手術翌日からはご自身でケアをします。
処置は難しくありませんので、心配ありません。

手術翌日

自宅でのケアは「傷にテープを貼る」と「胸にバンドを巻く」の2点です。

①傷にテープを貼る
翌日ガーゼを外し、処方されたテープに張りかえます。

シャワーは傷にテープを貼ったまま浴びてください。
お腹まででしたら、湯船のお湯につかることも可能です。

②胸にバンドを巻く
術後1か月間、胸にバンド(サポーターのようなもの)を巻きます。

このバンドは乳輪を平坦化し、変なシワが入ってしまったりしないようにするためのものです。良好な結果のために重要なものですので、1か月間継続してください。

運動の制限

術後2~3日目から軽いウォーキングやジョギングが可能になります。あまりハードでない筋トレも可能です。
コンタクトスポーツなど激しい接触があるスポーツは術後3週間からです。

 

術後1週間から1か月までの経過と過ごし方

1週間が過ぎると、抜糸が終わり、入浴等も通常通り行えます。
まだ手術の影響はいくらか残っていますが、手術前の生活スタイルにどんどん戻していってください。

経過

≪抜糸≫
術後1週間~10日の時点で抜糸します。

抜糸のタイミングはいつでも良いわけではありません。

早すぎれば傷が開きやすくなりますし、遅すぎると糸の痕が残りやすくなりますので、ちょうど良い時期で抜糸することが大切です。

≪内出血≫
内出血は術後1週間頃から次第に紫から黄色に色が変わってきます。色が黄色に変わったら、あと1週間ほどで完全に消えます。

≪腫れ≫
術後1週間ではまだ軽度ですが、腫れが残っています。

この後ゆっくりと腫れがひいてきます。通常1か月程でほとんどの腫れがひきます。

過ごし方

抜糸が終わる頃には日常生活で不自由を感じることはほとんど無いと思います。

この頃になると軽い運動を行った方が全身の血行がよくなるため、かえって回復が早くなります。

引き続き、日中の胸のバンドは継続してください。

 

術後1か月以降の経過について

この時点では運動や生活の制限は全くありません。
見た目の結果も術後1か月がほぼ仕上がりの状態といっても良いくらいです。

しかし、まだ以下のような症状が残っています。

≪硬さ≫
術後1か月頃は組織が一番硬くなります。
これは皮下脂肪が一時的に硬くなることによる症状です。約半年から1年かけて徐々に柔らかくなっていきます。

≪痛み≫
1か月の時点でもまだ「たまにチクチクする」「動かすと少しつっぱるような感じがする」といった症状があります。

これは、1か月の時点では傷が治ったように見えているのですが、皮膚の下では瘢痕と呼ばれる硬い線維状の組織がたくさんできていますので、腕を大きく動かすと胸のつっぱり感がでることがあります。

また、手術によって細かい神経(皮膚の感覚に関する神経)がダメージを受けていますので、違和感やチクチク、ピリピリといった症状がでます。

これらの症状は数か月~1年位かけてゆっくりと改善してきますので、あせらずに待つことが大切です。

 

 

 

当院で施術した実例集をご覧ください

実際にどのような感じになるのか想像することは難しいと思います。当院で施術した様々なケースについて解説していますので、参考にしてください。